槍ヶ岳 北鎌尾根~焼岳縦走 5日目(1) 穂高岳山荘~西穂山荘
もうこの3,000mの稜線は寒くて寒くて。凍え死にそうです。
今後もこの集中力が途切れなければ、年内は毎日更新の予定です。
(注: このエントリは2009年の年末に書きました)

では、「槍ヶ岳 北鎌尾根~焼岳縦走 4日目(2) 北穂高小屋~穂高岳山荘」 の続きで、「穂高岳山荘~西穂山荘」 をどうぞ。
明け方になって起きる時間になったけど、あまりの寒さにシュラフから抜け出せなかった。そのうち外に大勢の人の気配を感じたので、寒いけれどシェルターの入口をあけたら、素晴らしい朝焼け。震える指でシャッターを切った。

その後もなかなか起きられず、シュラフのなかでうだうだとしてた。向かいのテントの若い単独男性は出発していった。ソロツェルトの旦那さんはとっくにいなくなっていた。
そんな風にぐずぐずしていたら6:30過ぎになってしまっただろうか。いい加減ヤバい時間なので、シェルターを畳んで奥穂をめざす。奥穂の登りに取りついてみると、岩は寒さのためベルグラ状態。もう少し出発を遅らせてもよかったかなと思った。
奥穂山頂ではテン場で一緒だった単独の男性に追いついた。彼はこれから前穂に行って、上高地に下りるらしい。非常に感じがよい方だったのでメアドを聞こうかと思ったが、「ババアのくせにナンパか?こっちは圏外だよ」と勘違いされてドン引きされたら困るのでやめておいた。まあ、いつか縁があったら山で会えるだろう。

奥穂手前から見た槍。あそこから歩いてきたんだーと感動。
奥穂の山頂からジャンダルムを見ると、ヘリが旋回していた。ヘリ墜落事故の影響で通行禁止なのでは?と思って目をこらしてみると、ジャンダルムの上に人が何人か見える。どうやら通行禁止ではなさそうだ。
安心して馬の背に近づいていくと、墜落したヘリの尾翼が岩場に突き刺さっているのが見えた。え、えーと、本当に通れるの?

墜落したヘリの尾翼。
ヘリが上空を旋回しているので、馬の背の手前で止まってしばらく様子を見ていた。20-30分ぐらい旋回した後、ヘリは人を1人下ろして去って行った。

ヘリから降下する人。
ヘリが去ったので、慎重に馬の背を降りた。前に来たときは西穂から奥穂へ向かったので、ここは登りだった。今回は下り。高度感があるので、高所恐怖症の自分はさすがに緊張した。

馬の背。
馬の背を下りたところで、またヘリが戻ってきた。ヘリから下りてきた山岳救助隊?の人が、その場を動かず待機しているようにと、数十メートル先から声をかけてきた。言われたように座っていると、後ろから単独男性がやってきたので、救助隊の人の言葉を伝えた。彼も自分から数メートル離れたところに座って待機。
またそこで10~20分ぐらい待機していただろうか。結局ヘリは何もせず去って行った。いや、事故現場を撮影していたのかもしれない。

先日墜落事故があったばかりなので、自分の真上をヘリが飛んでいるとこわい。
ヘリがいなくなったので、行動開始。救助隊の人のところまで下りて行くと、登山道を通過する際の注意事項を受ける。ルート上にヘリの残骸が散らばっているが、それには触れたり移動したりしないこと。ヘリが来たら動かずにその場で待機すること。以上のことを気をつけるようにと指示があった。後ろから来た男性も同じように説明を受けていた。
救助隊の人の言うように、道の上にはヘリの残骸が散らばっていた。金属のかけらやら、ガラスのかけら。触れないでと言われたが、通過するのに邪魔な場合もあった。なんとかクリアーして避けて通ったが。

登山道上に落ちていたヘリの残骸。
で、ジャンダルムの上に到着。ここは初登頂。昔、西穂~奥穂間を歩いたときは雨が降ってガスっていたので巻いたのだ。意外に低いんだなってかんじ。

たぶんジャンダルムから見た奥穂。
おなかがすいたので、ジャンダルムの上で朝食の残りのにんにく臭い袋飯を食べていると、先ほど後ろにいた単独男性がやってきた。見ると、南岳山荘の食事のテーブルで一緒だったGさんだった。なんという奇遇。
この後、Gさんとほとんど一緒に行動する。さらに、昨日のテン場で一緒だったソロツェルトの旦那さんと小屋泊の奥さんにも追いつき、天狗岳まで一緒に前後して歩き、天狗山頂で一緒に記念撮影をし、その後別れた。

天狗岳山頂。バックの山は…なんでしょう…

また槍。さっきよりますます遠くなっている。
西穂を過ぎると後は悪場はないので、Gさんとおしゃべりしながら山荘までの道を下りていった。Gさんは、最近山を始めて、百名山を目指しているらしい。話を聞くとかなりの健脚家。小屋泊メインで、テン泊はまだしたことがないらしい。
話しているとあっというまに西穂山荘に到着。しばらく休憩。Gさんはロープウェイで下山するのでここでお別れ。メールアドレスを交換して別れた。
じつはGさんもblogをやっている方だった。しばらくお休みしていたみたいだけど、この山行を機に復活。写真がきれいなので、ぜひご覧になってください。奥穂~西穂間の岩場の迫力が伝わってくる写真です。




で、Gさんと別れた後は西穂山荘にテントを張るつもりだったのだが、なぜかそのまま焼岳まで縦走する気になったのだった…
「槍ヶ岳 北鎌尾根~焼岳縦走 5日目(2) 西穂山荘~焼岳~上高地」 へ続く。

あとは焼岳を登って上高地へ下山するだけ。
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