槍ヶ岳 北鎌尾根~焼岳縦走 1日目(1) 上高地~水俣乗越
バスターミナルのところにある上高地インフォメーションセンターの中に入って、暖かい中で身支度を整え、天気予報を確認したかったのだが、残念ながらまだあいていなかった。仕方がなく外のベンチで朝ご飯の梅おにぎりを食べ、山行計画書を登山届ポストに投函した。
今回の計画は下記の通り。
1日目 上高地~横尾~水俣乗越~北鎌沢出合~北鎌のコル
2日目 ~北鎌尾根~槍~南岳~南岳山荘
3日目 ~北穂高小屋~北穂~北穂東稜ピストン~涸沢岳~穂高岳山荘
4日目 ~奥穂~西穂~西穂山荘
5日目 ~焼岳~上高地

最優先は北鎌。できたら西穂までつなげたい。さらにできたら焼岳まで。余裕があったら北穂東稜ピストンも。といっても北穂東稜は時間があまったので入れただけなのだが。
(このエントリは 「槍ヶ岳 北鎌尾根~焼岳縦走 序章」 からの続きです)
1つ目は北鎌尾根末端から取りつく湯俣からのコース。ここは渡渉が必要なので、細っこい自分は流されてしまい、翌々日あたりの朝刊に、「美人OL水俣川で溺死。単独行の無謀登山か?」という見出しで載ってしまうので却下。
2つ目は大天井の小屋から貧乏沢を下るコース。テント装備を担ぎたくない人が主に選択する小屋泊コース。中房温泉から入り、合戦尾根を登って大天井を越え、大天井小屋から貧乏沢を下って北鎌沢右俣から北鎌尾根に取りつく。自分的には中房温泉までのアクセスが悪いので、これも却下。
3つ目が水俣乗越からのコース。上高地から槍沢を通って水俣乗越まで登ってそこから千丈沢に下り、北鎌沢右俣から尾根に取りつくというもの。上高地へは横浜・新宿から夜行バスで1本で行けるので、もっともアクセスがいいこのコースを選んだ。

赤い点線が自分が通った水俣乗越からのルート。
朝食を食べ終わると、インフォメーションセンターがあいた。どうやら開館は6:00らしい。中に入って天気予報を確認。今日から2日間の天気はよさそうだ。一応、毎年見かけるオジサマ (館長さん?) に天気はどうだか聞いてみる。今日明日はいいけど、明後日は崩れるそうだ。これはなんとしてでも明日中に北鎌を抜けなければならない。オジサマにお礼を言ってセンターを出る。
天気予報を確認した後は、飲料水を500mlだけ汲んで、上高地を出発した。北鎌沢の出合まで、飲料水は常に500ml以下しか持たないつもりだった。途中通過する明神・徳沢・横尾・槍沢ロッヂ・ババ平のテン場には水場があるから。各所で水を汲んで飲めば、行動中は重い水を持たなくてすむ。体を軽くして、その日のうちに北鎌尾根に乗るつもりだった。
明神は通過する予定だったのだが、衣服調整のため軽く休憩、そして水分補給。徳沢も通過するはずが、やはり水分補給の休憩。横尾ではトイレ休憩と水分・エネルギー補給。再び梅おにぎりを1個食べた。
横尾を出るとすぐに2人組の男性を追い抜かした。なんか後ろで叫んでるように聞こえたが、先を急いでいるので確認せずどんどん進む。しかしやっぱりなんか叫んでいるようなかんじ。ってか、呼ばれているような気がする。
ヨシさんだった。
ヨシさんは殺生小屋にお勤めの方。本日休暇明けで小屋に入るとは聞いていたが、まさか会えるとは。ってか、追いつくとは思わなかった。ヨシさんは新村橋まで車で入ると聞いていたので。装備を見て、自分だとわかったようだ。たしかにアルパイン装備(ヘルメット外付け)の単独女性ってあんまり見かけないもんな。
そこから大曲りまでヨシさんとそのお連れさんと道中を共にする。槍沢ロッヂではヨシさんの握った玄米おにぎりをいただいた。どうもありがとうございました。
大曲り手前では、水が出ていたので、空になりかかっていたペットボトルに水をつめる。そして大曲りへ。ここでお2人と別れ。そこから東鎌尾根にある水俣乗越まで上がって行った。
軽量化していたので、自分が予想していた時間よりもはるかに早く水俣乗越に着いた。登りで喉が乾いたのでまた水分を補給する。ここからバリエーションルートに突入となる。暑いけれどヘルメットをかぶって気を引き締めた。

水俣乗越。いよいよ一般道を外れる。
「槍ヶ岳 北鎌尾根 ~ 焼岳縦走 1日目(2) 水俣乗越~P9手前」 へ続く。
自分メモ
所要時間
上高地6:02 明神6:42~46(衣服調整・水分補給) 徳沢7:25~35(トイレ・水分補給) 横尾8:20~30(トイレ・水分/エネルギー補給) 槍沢ロッヂ9:30~45(水分/エネルギー補給) ババ平キャンプ場10:04~07? 大曲り10:22~35?(水分補給/水汲み) 水俣乗越11:20~30
関連エントリ















関連商品
![]() | 新編・風雪のビヴァーク (yama‐kei classics) (2000/03) 松濤 明 商品詳細を見る |
![]() | 新編・単独行 (yama‐kei classics) (2000/04) 加藤 文太郎 商品詳細を見る |
![]() | 孤高の人 (上巻) (新潮文庫) (1973/02) 新田 次郎 商品詳細を見る |
![]() | 孤高の人 (下巻) (新潮文庫) (1973/02) 新田 次郎 商品詳細を見る |
![]() | アドバンス山岳ガイド 槍ヶ岳・北鎌尾根 [DVD] (2007/05/20) 商品詳細を見る |
COMMENT
ヨシさんに会ってたんだねえ。すごいタイミングだ。
しかし本当に装備絞り込んでるね。
真似はできないけど参考になるなあ。
これからのレポがどきどきします。
あの岩岩をどのように歩いてきたのか。
自分がいける場所でないだけに写真が楽しみです。

どうもおにぎりごちそうさまでした。
助かりました。
あの日は朝食含めて1.5合分のおにぎりしか持って行ってなかったから。
たしかにあの日は皆待ったり系でしたもんね。
先を急いで焦ってる人なんて私ぐらいしかいなかったからなー。

> 真似はできないけど参考になるなあ。
担げればテディベアのぬいぐるみ持って行ったって、
ミッフィーの綿毛布持って行ったっていいんです。
私は担げないので軽量化してるだけ。
> 自分がいける場所でないだけに写真が楽しみです。
写真、いまいちいいのがないかも。
なんかボケちゃって。

テディじゃなくてガチャピンの着ぐるみがいいな。

古いエントリへのコメント大歓迎ですよ。
水俣乗越でググるとは、北鎌にでもいらっしゃるのですか?笑
自分の普段の山行よりはちょっと速めに歩きましたけど、走ってはないです。
10kg担いでは私は非力なので走れないんです。
このときのコースタイムが遅いのか速いのかわかりません。
他の人に比べると、私は歩くの遅い方だし、
北鎌を1dayで抜けてしまう人もいるので、けっして速くはないと思います。
やまなぶろぐ、大いに参考になりました。私も軽量化を図り10キロ以下にするつもりです。
単独でなければ山にあらず…、共感です。わいわいがやがやは苦手で、登山学校以外、わたしはいつも独りです。
特に北鎌などは単独でなければ意味がありません。と思うのです。
それでは、美人OLのトレースを追ってきます。

ようこそいらっしゃいませ!
記録、参考になりました?
ルートのこととかは全然詳しく書いてないんですが。
はは、私は山にあらず…ってわけではありません。
大勢で行く山も楽しいです。
ただ、本命は単独で行きたいな、と。
北鎌~ジャン、お気をつけて行ってきてください。
大いに参考になりました。
私も懸垂で楽をするのが嫌なのでノーザイルで行きます。また折角なので稜線のいずれかでビバーグし、北鎌の夜明けをみるつもりです。
さてどうなることやら。ウキウキドキドキです。
無事に帰ってきたら報告します。
音沙汰のないときは…。

気をつけていってらしてください。
お天気がいいみたいでよかったですね。
とうとう念願だった北鎌単独縦走をしてきました。やっと一人前の山好きにられた気がします。
8月11~12日。貧乏沢ルート。独標コル手前でビバーク。昼に登頂できました。
それにしても多くのハーケンが残置されていてげっそりしました。北鎌はハーケンもザイルもまったく必要ありません。ルーファイと体力がすべてですね。
奥穂へと思っていましたが、山はひとだらけ。小屋もテン場も人、人、人。上高地へ逃げ返りました。
9月に前尾根に行ってきます。

ご無事で下山、なによりです。
北鎌、ルートによっては懸垂下降が必要なところもあるみたいですよ。
次は独標の直登を狙っています。私は還暦を過ぎていますが、子供のころはもっと危ないことして遊んでいたような気がします。ただ体力がねえ…。
それにしても女性が独りでねえ、信じられません。きっと私が思っているよりお若いのでしょう。
友人がノーザイルで北尾根をやったらしいので、私も行ってきます。
ほんまにこの世に女ほど強いものはおまへんなあ。独りでなあ。尊敬します。

女性で北鎌単独をやってる人なんて大勢いますよねぇ?
それに無雪期の北鎌って、いろいろな資料にも書いてあるように、
ハードなルートではないと思いますけど…
初心者でも経験者に連れられて行くようなところですよねぇ。
冬山の経験はいかが?

厳冬期北鎌に散った先人逹のようにならないでください。
私の冬山の経験はお粗末なものです。
このblogの過去記事をご覧ください。
私も稜線上で膝をついて怒られたことがあります。
山は、天候だと思います。かの先人たちも天候に首を垂れたのだと思います。プロも天気には勝てませんから。私は天気を先に日程を決めます。低気圧の次には高気圧が必ず来ますから。

天気がいいときの山はほんと最高ですよね。
最近は雪山に重きをおいています。
信じられないくらい人が少ないし、快晴の雪山ほど神々しいものはありません。
冬山の前に、北尾根をのぞいてきます。

気をつけて行ってらしてください。
てる (08/25)
mima (08/24)
てる (12/24)
KMD (12/24)
てる (11/25)