GW後半 槍ヶ岳 2日目 横尾から槍沢経由で槍ピストン
横尾から槍岳山荘までのコースタイムは夏道で片道6時間。
(昭文社 山と高原地図より)
当初の予定の槍沢ロッヂからでもコースタイムは片道4時間弱。
自分的には登り3時間、下り2時間ぐらいのお気楽山行を企画したはずだったのに…
1日目 上高地~徳沢~横尾
2日目 横尾から槍沢ロッヂを通って槍ピストン
3日目 ~徳沢~上高地
べつに計画を替えればいいんだけど、
槍に登ろうとやる気まんまんのミルフィーユを前にやめようとは言い出せず…
結果、はりきったミルフィーユを先頭に、
若手3人がしょうがなくだらだらとついていく形になった。
横尾から槍沢ロッヂまでもけっこう長い。
やっぱり予定を変更して横尾にしてよかったね、なんて話しながら登っていった。
槍沢ロッヂから槍沢キャンプ地もまたけっこう離れている。
このキャンプ地はすでに書いたように、この時期はいまいちいいテン場とは言えない。
平らなところはデブリで覆われているし、
テントを張るのなら樹林帯の中の斜面を削るしかないだろう。
水場も見当たらなかったし、トイレは仮設のものが1つ。
キャンプ地を抜けてデブリの中をひたすらひたすら歩き続ける。
しかし槍は見えない。
ここらへんで若手からは「もう帰るか」「天気崩れるもんね」という台詞がちらほら。
しかし、ミルフィーユはそんな会話には耳も貸さず、先陣きってひたすら登っていく…

けっこうな急登なうえに、槍が見えないのでやる気もおきない。
が、しばらく登っていくと…

お?

あれはひょっとして…

槍だ、槍!!!
槍が見えたとたん、自分のテンションは上がり、
「せっかくここまできたんだから絶対ピークを踏む」と言い出した。
しかし、それもつかの間、槍岳山荘までの最後の急登にさしかかると…

ミルフィーユとケロちゃんとこんなに開きが…
むく太と2人、「あの2人、ほっといてもう帰るか」とか、
「もう頂上はいいよ」とかいう話になっていた(爆
何本も休憩をとった後、ようやくむく太と小屋に到着。
天気も悪くなってきて風も出てきたし、
一般道からの登頂にはとくにこだわりもないので、
若手3人はもう頂上は踏まなくてもいいと言う結論に達した。
しかし、ミルフィーユの、
「だめよ、ここまで来たら登らなきゃ」
とか
「若いんだから」
とかよくわからない理由で登らされることになった。
おそるべし、ミルフィーユ。
多数決を制すとは…

槍の穂先。
ネット山仲間のMINMINさんから今年の槍はけっこうヤバイと聞いていたので、
ハーネスをつけ、ロープを持って登攀開始。
途中でテンションが低かったケロちゃんのテンションが更に下がり、
「やっぱ行かない、戻る」
と言うので、テンション下がっている人を1人で返すわけにはいかないので
途中の支点にセルフビレイさせてデポしていった。
ちょっと登って後を振り返って見ると、
デポしたはずのケロちゃんが登っている。
聞くと、ミルフィーユに無理やり連れてこられたそうだ。
ミルフィーユは山暦ウン十年のベテランだし、
ケロちゃん・むく太ともに沢やバリエーションもこなしているので
ロープを出すまでもないと思っていたが、
モチが下がったケロちゃんはかなり怖がっていたので、
登りからロープを出すことになった。
スタカットではあまりにも時間がかかり過ぎるので、
途中からコンティニュアスに替えた。
氷河上でコンティニュアスはしたことがあるが、
こういう岩場でやったのは初めて。
もちろん、ケロちゃんが落ちても止める自信はまったくないのだが、
普段のケロちゃんの技術からすれば絶対落ちないだろうし、
こうすることによってケロちゃんが安心して本領発揮できるのでやっただけ。
まー、とにかく無事に槍山頂に到着。
あいにく周りはガスにつつまれていたが…

山頂で記念撮影。自分以外、皆残雪期の槍には初登頂!
下りはロープをフィックスして下りていった。
おかげですごく時間がかかったが、
ピッケルを使った新たな支点作りを考え出した。(すでにあるのかもしれないけど)
槍もなんとか登頂し、再び横尾までのながーい道のりを戻ったわけだが、
行きでもシャーベット状だった道は、帰りはもっとひどい状態になり、
踏み抜きがひどかった。
なぜか自分の踏み抜き確立は多く、
1人後ろで踏み抜いて、「ギャー」とか「わー」とか言っているのに、
誰1人として振り向きもしなかった…
ああ、なんて冷たいメンバーなんだ。
横尾には疲れきって到着。
小屋から数mの距離のテン場まで歩いていくのに
一本とらなければ歩けなかった。
かなーり体力落ちているな。
一般道って常に歩いているから体力を消耗するんだろう。
バリエーションだとビレイしている間は休めるし。
夜は残っているワインを空け、ケロちゃんの作った本格グリーンカレーに舌鼓を打つ。

ケロちゃん作のグリーンカレー。
3日目へ続く→
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COMMENT
写真の掲載のしかたももグーです。
それとオーロラさんの文章、私、好みです。スイスイ読めるもん。
夏場でもたいへんなのに、改めてすごいと思いました。だって、槍だもんね~^^
毎回、すごいごちそうと、ワインのボッカ、これもすごいと思ってます。
これだけ活動してたら・・・・・・
あと、どこやせたいの?オーロラさん・・・・
お褒めいただいてありがとうございます。
私もLiccaさんの文章好きですよ。
ところどころに笑いのツボがあるところがなんとも…
hiroさん
槍、別に一般道から登ったのでそんなにすごくないですよ。
北鎌から登頂したときほめてください。
と言っても、北鎌も所詮初心者ルートですが。
どこが痩せたいかは…
じつは最近胸のあたりがきつくなって…(爆
なのでそこらへんを痩せようかと思っているのです。
なんか、読んでいて気持ち的にはミルフィーユさんに心情的には近い物を感じてしまいました。去年オーロラさんは雪の槍を登ってしまっているけど、やっぱり一度は雪の穂先には立ってみたい心情でした。
> ちゃんとしたテント場をイメージされて行ったとしたら、まずかったですね。
いや、どんなテン場でも対応できるような装備だったんで大丈夫ですよ。
> ミルフィーユさんに心情的には近い物を感じてしまいました。
> やっぱり一度は雪の穂先には立ってみたい心情でした。
MINMINさんも初の雪槍だったんですか?
去年、私も初の雪槍だったのですが、登らなくてもいいくらいに思ってましたよ。
とくに槍には思い入れがないんです。
でも、北鎌はぜひ行きたいルートです。
北鎌はちょうど私が下山する日に某山岳会のパーティーが登って来てました。あそこから登ればかっこいいでしょうね!まずは夏のシーズンに登れるように体鍛えないと自分は行けないですね。
うらやましいです。
某山岳会?
検索すればひっかかるかな。
とりあえず、私も夏の北鎌をめざします。
てる (08/25)
mima (08/24)
てる (12/24)
KMD (12/24)
てる (11/25)