エンジンがかからない体で文三郎の登りをあえぎながら登る。
ふと足元を見るとアイゼンを右左逆に履いている人の足跡を発見。
前のパーティの最後尾の人のものらしい。

アイゼンを右左逆につけている足跡。
ようやく主稜の取り付きの遭難の碑?のところに到着。
ここから微妙に下りながらトラバースして取り付きのチョックストーンまで行くのだ。
当てにしていたトレースはなく、我々がこのGWの主稜のトップバッターとなった。
前日の降雪のため、このトラバースでは雪崩に注意しろと小屋の人に言われていた。
今シーズンここで大きな事故があり、重傷者が何人も出ているそうだ。

赤岳主稜取り付きのチョックストーンまでのいやらしいトラバース。
ということで、恐る恐る慎重に一歩一歩を確かめながらトラバースする。
幸い雪は固くしまっていて雪崩ることはなかった。

事故多発の核心部をトラバースする。
チョックストーンに着いてセルフビレイ。
3年前の3月に来たときと比べて雪は多く、
チョックストーンの下は雪がつまってくぐれそうもない。
1P目は一応核心部らしい。
チャレンジ!アルパインクライミング によると、Ⅳ-ぐらい。
立ち位置の関係で自分がトップで行くことになった。
以前はセカンドでもこのチョックストーンを越えるのにすごく時間がかかったのだが、
今回は果たしてどうか。
前日の雪で埋まっている足場や手がかりを掘り出して確認し、
チョックストーン右上の雪の部分にピッケルとバイルを打ち込み、体を持ち上げる。
なんとかクリアー。
この3年間の経験は無駄にはなっていなかったようだ。
この部分を越えると柔らかい雪が20cmほど積もっている急登だったので、
雪まみれになりながらリッジを右上し、ピッチを切る。
スパッツを忘れていたので、今後こんな雪だらけだったらちょっときついな、と思う。
2P目はキューちゃん。
はじめルートを間違えていて、かなーり難度の高いところを登ろうとしていたが、
ふとわきを見ると見るからに簡単そうなところが。
危ない、危ない。
その後は順調にトップを交代し、登っていく。
多少、ルートファインディングに迷うところがあったが、
常になんとか見つけ出していった。
トレースがないとこうやって楽しめるのがいい。
心配していた雪の状態も、1P目以外は固くしまっていたので、
スパッツがなくとも全然大丈夫だった。

3P目ぐらいの雪面。自分トップ。

6P目ぐらいの階段状の岩。キューちゃんトップ。
8P目ぐらいのところで、トップのキューちゃんの動きが止まった。
30分ほど動かなかっただろうか、ようやくロープの動きがあり、引き上げてもらうと、
すんごい難しいところ。
3回ぐらいレストし、ようやく4回目のトライでほとんどフリーのムーブで抜けた。
明らかにルート間違っているよ、キューちゃん…

ルートミスしてこんなへんなところに抜けてしまった。
このピッチを抜けるとあとは山頂まで快適なクライミングを楽しめた。
一度核心部でロープが足りなくなるのでは、という危機もあったけど…

ロープをしまった後、山頂まで最後の一登り。少し風が出てきた。

赤岳山頂にて。セルフ撮りだったので下が切れてしまった(笑
我々の後からは誰も来なかったので、この日主稜は我々の貸切。
天気もよく風もほとんどなかったので、最高の状態での登攀となった。
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